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【HIROBA藍染カーテン】都市に縫い込むローカルの手仕事

【HIROBA藍染カーテン】都市に縫い込むローカルの手仕事

舞鶴には、あまり知られていない素材や文化があります。
京都の中心部にある QUESTION 内のカフェバー「HIROBA」にて、舞鶴の風土から生まれた藍染生地を使ったカーテンを設置しました。

HIROBAは、「食卓にまちとつながりを。」をコンセプトに、地域の人や文化、モノやコトが交わる場所として運営されています。
今回のプロジェクトでも、単に空間へカーテンを設置するのではなく、舞鶴という土地で育まれてきた素材や文化、その背景ごと京都へ持ち込むことを大切にしました。

このプロジェクトを手掛けたSEWプロジェクトは、「都市縫製」というコンセプトを掲げて活動しています。縫製とは、本来は布と布を縫い合わせる技術です。
しかし私たちは、それをもっと広く捉えています。

地域と都市。
人と場所。
文化と空間。

そうした本来は離れて存在しているものを、縫い合わせるようにつないでいくこと。

今回のプロジェクトでは、舞鶴という地域で育まれてきた藍染文化を、京都市の中心地という都市の中へ持ち込み、一つのカルチャーとしてプレゼンテーションすることを試みました。

この藍は、京都府立舞鶴支援学校 の皆さんが、種子から育てたものです。
校内で藍を育て、葉を収穫し、染め液を作るところまでを日々の活動として行っています。

京都中丹エリアの由良川沿いでは、古くから藍がよく育ち、藍染文化が根付いてきました。今回のプロジェクトは、そうした地域の風土や文化を、京都の都市空間の中でプレゼンテーションしてみたい、という思いから始まりました。

制作にあたっては、まず何度も試作を繰り返しました。
生地によって染まり方や透け感が異なるため、空間の中で綺麗に光を通す素材を選定しながら、サンプル制作を進めました。

実際の染色作業は、HIROBAのスタッフさんにも舞鶴支援学校へ出向いていただき、学生の皆さんと一緒に行いました。
本番用の生地も、一枚ずつ丁寧に染めています。

また、今回のプロジェクトでは、制作工程そのものも大切に考えました。
素材サイズについても、学生の皆さんが無理なく扱い、作業として実現できる大きさを前提に設計しています。

完成したカーテンは、均一な工業製品ではありません。
藍染は、その日の気温や湿度によっても染まり方が変化します。
さらに、一枚ごとに異なる手仕事の揺らぎがあります。

今回のデザインでは、その不安定さを消すのではなく、パッチワーク状に構成することで、一つの表情として取り込みました。

濃い青、淡い青、少しくすんだ青。
均一ではないからこそ、それぞれの布に違う表情があります。

学生の皆さんはプロの染色職人ではありません。
それでも、一枚ずつ丁寧に、心を込めて制作してくれました。

そして今回、縫製という技術は、単に布を縫い合わせるためだけに存在していたわけではありません。

異なる染まり方をした布をつなぎ合わせること。
地域の文化を都市空間へつなぐこと。
学校で行われている活動を社会へ開いていくこと。

そうした複数のレイヤーを、縫製という行為を通じて一つの空間に縫い上げていった感覚があります。

また今回、QUESTIONやHIROBAが持つ、「地域や人、文化を交わらせる場」という思想とも強く重なっていました。

均一な工業製品ではなく、背景やストーリーを持った素材を空間に取り入れること。
地域の文化や人の営みを、都市の中で体験できる形にすること。

今回の藍染カーテンも、単なるインテリアではなく、舞鶴という地域の風土や文化を含んだ存在として空間の中に設置されています。

完成した空間では、綺麗な藍色の中に少しずつ異なるトーンや揺らぎが混ざり合っています。そうした表情も含めて、この素材の魅力として楽しんでもらえたらと思っています。

また、藍染の生地は使い続けることで少しずつ風合いが変化していきます。
時間とともに生まれる変化も、この空間の一部として育っていくことを楽しみにしています。

今回のプロジェクトを通して、手仕事には単にモノを作る以上の力があると改めて感じました。

素材を縫い合わせる。
人の思いを重ねる。
文化をつなぐ。
地域をひらく。

そうしたことを、布という柔らかな素材を通して形にできること自体が、縫製という仕事の面白さなのだと思います。

空間の中で揺れる布を見ながら、舞鶴という土地で育まれてきた文化や、その背景にある手仕事の面白さも、少し感じてもらえたら嬉しいです。

制作に携わってくださった皆様、ありがとうございました!

・Produce:HIROBA(株式会社Q’s)
・Project Coordination:株式会社おいかぜ
・Concept & Creative Direction:SEW
・Indigo Dyeing:京都府立舞鶴支援学校
・Design:Yuriho Moro
・Installation:Kosuke Hiruta
・Production:福井センイ有限会社

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