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最長13mの透明天幕ができるまで

最長13mの透明天幕ができるまで

 

現在、豊田市美術館で開催されている櫃田伸之「通り過ぎた風景」にて

展示空間に使用されている天幕を制作させて頂きました。


今回は、その制作現場のお話です。

振り返ると、スタートは去年の11月頃。

完成まで、本当に沢山の工程がありました。


今回求められていたのは、

作品を妨げない存在感と、

自然光から作品を守る機能性。


空間に自然に馴染みながら、

しっかり役割を果たせるものを、空間設計の皆さまと打ち合わせを重ね探していきました。



今回の幕は、最長13mの三角形。


布が綺麗に張る施工の仕様、そして素材についてのアドバイスを頂きながら、三角形を4分割したパターンの作成で進めていきました。

サンプル製作をしてみると、4分割した三角形の辺同士を合わせることがなかなか難しく

パターンデータと何度も向き合いながら微調整を重ね、

ぴたっと合わさった瞬間は、

かなり嬉しかったのを覚えています。


さらに問題だったのが、“バイヤス”。


布は織り目に対して斜めに裁断すると、

伸びやすくなります。

今回の三角形は、

まさにその影響を受けやすい形でした。

でも、ただ補強すればいいわけでもない。

存在感はできるだけ抑えたいし、縫い目も少なくしたい。

試作を重ねる中で、

今回の条件にはビニール生地が

最も合っているという結論に辿り着きました。


そして裁断と縫製。


このビニール生地、

とにかく静電気がすごく、埃がすぐ付く。


最終的には4人がかりで

埃を取りながらの作業になりました。

 

裁断台が短く感じるくらい大きな幕を、

縫製職人が丁寧に縫い上げていく姿を見ながら、

「これは福井センイだからできることかもしれない」

と感じていました。


無事に施工までうまくいきますように、そんな気持ちでした。


そして実際に展示空間で

作品と一緒に設置された幕を見た時、

空間に自然と溶け込んでいる姿を見て関係者の皆様に感謝の気持ちと幕への愛おしさが溢れました。

今回の制作は、

設計、施工、素材、縫製、

それぞれの専門性が重なって実現したものだと感じています。


関わってくださった皆さま、

本当にありがとうございました。


ぜひ会場で、

作品と空間、

そしてその中にある天幕の存在も

体感して頂けたら嬉しいです。




<展覧会情報>
櫃田伸也―通り過ぎた風景
Hitsuda Nobuya - Scenes Passed By

2026年4月4日[土]-6月21日[日]
開館時間:午前10時-午後5時30分(入場は午後5時まで)
休館日:月曜日(5月4日は開館)

主催: 豊田市美術館 @toyota_municipal_museum_of_art
協力: KAYOKOYUKI @kayokoyukigallery

Spatial Design : Dai Katsuragawa, Kazuha Koide @_land_ing ( @dai.katsuragawa )
Installation : @hijikatadai
Fabric Advice : @shoji.haruka
Product Coordination : @sew_citysewing
Fabric Production: @fukuisen_i
Technical Development : @yuriho.m77

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